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クチコミのチカラ

クチコミのチカ...
ベクトルグループ
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今回は書評というよりも、読んで、気になった部分のメモ。
■PRの延長線のクチコミ

この本の著者は、PRを主軸とした次世代マーケティングを手がける「ベクトルグループ」。持ち株会社ベクトル、PR事業を手がけるアンティルとプラチナム、クチコミ・マーケティング事業部のWOMCOM、リリースポータルサイトを運営するPR TIME社の5社で構成されているグループである。
なので広報の考え方が常に底にあって、クチコミを見ている。マスコミに流す代わりにクチコミに流すと、どういう効果があるか、どう注意すべきか…。
それだけに、ある意味、大事なところは押さえている。
●新聞社相手にするときと同様、相手の自主性を大事にすべき。
●伝える内容自体に、伝えたくなるものがなければ、広まらないこと。
●コマーシャルバイアス、つまり企業側の意図が色濃く感じられると価値があまりないこと。

本のレビューも充実……レビューポータル「MONO-PORTAL」

■自然発生のクチコミを活性化させる要素

同書P73
WOMMAの定義について

  • 自然発生したWOMを活性化させる要素は以下である。
  • ●顧客満足をいかに獲得するかに焦点を絞る
  • ●製品の品質と使い勝手を、不断に改善する
  • ●消費者からの懸念や批判に応じる
  • ●消費者との対話を絶やさず、声を聞き、モノづくりに反映させる
  • ●顧客のロイヤルティーを獲得することに、全力を尽くす

これって、本来的な広報において、重視されることそのものだと思う。

■インフルエンサーを信頼せよ
クチコミというと、えてして、「悪いクチコミ」を心配しがち。
しかし、このところ、何 冊か、クチコミの本を読んでいて、悪いクチコミ、炎上は、そもそも企業側の対応の不適切などがあり、基本的に、適切に対応し、製品そのものも適切であれ ば、クチコミは良い方向に広がる、それは企業が広げて欲しいイメージとはちがうとしても…という結論のようだ。

この本でも

個人インフルエンサーは収集している情報量が多く、メディア接触の頻度が高いという結果が出ている。またインフルエンサーではない人と比較して、ポジティブな情報を積極的に伝えようとするという傾向が見られるという。

とある。

■電波力を高める要素

この本によれば、ひとつは、まだ誰も知らないなど、「情報価値の高さ」と、もうひとつは衝撃的、感情をゆさぶるなどの「エンターテイメント性」がポイントだ。

これはアフィリエイトを含めた、バズマーケティングのポイントだろう。
つまり、選ばれたブロガーやアフィリエイターを招き、まだ知られていない情報を与えたり、面白い、思わず伝えたくなる楽しさを持った素材を提供することで、クチコミは広がる。

■キャンペーン事例

SonyTypeU

ブロガーを集めた会議の場で、新製品VaioTypeUの発売を明かし、開発者が現場の話をして、さらに参加者がアイデアを出し合う会議を行った。

その結果、現場から、ブロガーたちが次々にリアルタイムに記事をアップロードした。
さらに、2ヵ月後のワンセグで使えるタイプの発売に合わせて、アイデアコンテストに答えるか、クイズに答えてもらうキャンペーンを行った。

この本では、このキャンペンは、インフルエンサーにとって魅力的な以下の点が揃っていたから、成功したとある。うん、確かに…。

1)ニュースバリュー…今のところ、知っているのは私だけ。
2)ディスカバリー…ここまで知っているのは私だけ。
3)ティップバリュー…話、画像、音声、映像が新鮮、面白い。
4)イージートゥートーク:人に伝えたい、分かりやすい

■ブロガーがブログをする理由

大柴ひさみ氏と吉田賢氏の対談が掲載されているが、その中で、書かれていたここは大事なポイントだと思う。

ブロガーはなぜブログをするのか?たずねたところ

お金のためではなくて自己表現
楽しいことやつまらないことなど心にたまったあらゆる出来事を人と共有したい

■クチコミマーケティングはコントロール可能?
一方的に流すマス媒体での広告とちがい、クチコミマーケティングはコントロールができないことが特徴であり、怖い…そう思っているひとが多いだろう。

だが、この本では「コントロールはできる」と言っている。ただし、広告のようなコントロールではない。予測し、企画し、適切な刺激を与え、適切な対応をすることで、予想どおりに動かせるということらしい。

ソフトバンクのPANTONEケータイの事例について、こうある。

ブランドと消費者(ブロガー)との対話内容は予測可能であり、従って計画できるし、再現性もある

ブランド体験の提供方法、つまりコンテクストの内容次第で、マーケターの意図するクチコミが可能となる。

■お仕着せではなく…

クチコミマーケティング18の法則が載っているが、わたしが特に注目したのはこちら。

新しい消費者は、「素材を自分なりに組み立てて作る」ブランド体験しか受容しない

企業側の伝えたい情報、たとえばキャッチフレーズ、イメージをそのまま伝えさせようとしないこと。

アフィリエイトの広告主でもよくある。広告主の言葉とちがう表現を嫌い、それを排除しようとする広告主を。しかし、自分たちの表現どおりを望むな ら、アフィリエイトを使うべきではない。アフィリエイターの創意工夫がある言葉、感じたままの感想が、広告主の想定外のヒットをもたらすのだ。新しい客を 連れてきてくれるのだ。

そして、アフィリエイターやブロガーには、材料を与えよう。そのまま使ってもらうテンプレートやバナーよりも、体験や生の情報を出そう。その調理は、彼らに任せるべきだ。

うん、★★★★な本だな。

クチコミのチカラ―ビジネスに生かすクチコミ・マーケティング
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クチコミを引き出したい企業の姿勢についてわかる。
クチコミマーケティングの本質とは
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